トップメッセージ

世界で最も頼りにされるレーザ技術のパートナー企業を目指します。

スペクトロニクス株式会社は岡田穣治が2004年に創業以来、レーザ技術の産業応用に特化する会社として微細加工領域で産業に貢献すべく開発を進めて参りました。2012年に半導体レーザゲインスイッチング方式(LD-GS)を世界で初めて実用化し、そのシンプルな構造により振動に強く、増幅が比較的容易などの特徴と将来量産化された時のコスト削減効果が期待されるなど産業用途に優れた技術を確立しました。

スペクトロニクス株式会社は産業用ピコ秒紫外レーザ領域で国内唯一のメーカーであり、世界で唯一ピコ秒深紫外レーザの出荷実績があるメーカー*1です。現在も東京大学が主導するTACMIコンソーシアム*2において、当社製レーザを使った最先端デバイスへの高品質微細加工AIの開発や、大阪大学の世界をリードする深紫外域への波長変換技術の開発で連携するなど、常に時代を先取りするレーザ微細加工の技術開発に注力しております。

市場はIoTの進展、ポスト5G競争、自動車業界におけるCASE加速、カーボンニュートラル等に代表される大きな環境変化により低環境負荷、小型化、省電力化への微細加工ニーズが急速な高まりを見せています。ピコ秒紫外レーザの産業用途導入が本格化する時代に突入しようとしており、フェムト秒化や深紫外化の進展も期待されている状況です。こうした市場ニーズに応えるため、スペクトロニクス株式会社は産業用微細加工用途に高品位・高信頼性で顧客要望に応えるべくイノベーションを継続し、日本メーカーならではの迅速できめ細かい顧客対応を磨いてまいります。産業用ピコ秒短パルスレーザで唯一の国産メーカーとしてグローバルニッチトップを目指し、モノづくりを通じた産業と社会へ貢献が私達のミッションです。同時に会社の成長と個人の成長の連鎖、外部研究機関や提携パートナーとのオープンで活力のある組織づくり目指して参ります。

(*1) 2021年2月末、当社調べ
(*2) 東京大学 光量子科学連携研究機構が率いる高効率レーザプロセッシング推進コンソーシアム( Consortium for Technological Approaches toward Cool laser Manufacturing with Intelligence)の略。レーザによるモノづくりの革新を目的に80以上の企業、大学、研究所が連携する。
参考URL:http://www.utripl.u-tokyo.ac.jp/tacmi/

取締役創業者メッセージ

取締役創業者 岡田穣治

私は1990年代半ばより、「ハイテク製品の付加価値向上には必ず“超微細加工”ニーズが伴うことになる」との確信を持っておりました。

しかし、日本の国家プロジェクトなどでレーザ技術を高めていた国内大手メーカがバブル崩壊後に次々と微細加工用レーザ事業から撤退していくのを目の当たりにしながら、切削加工技術の先に来るべき微細加工用レーザ技術が日本から無くなってしまうのではないかと強く危惧するようになっていきました。その後は国内産業の停滞感に触れる度、「モノづくりの現場において革新をもたらし、停滞する日本のモノづくりを活性化させたい」という想いが強くなり、2004年にスペクトロニクス株式会社を創業いたしました。

創業当初は特に資金が乏しかったため、大阪府高槻市内にある祖母宅(平家)の仏間を借りて創業し、レーザ技術を軸とした“受託開発ビジネス”を開始いたしました。特殊な計測機器や医療機器、微細加工用コアモジュールなどを国内大手メーカのR&D向けに開発・納品するビジネスで会社は徐々に成長していきます。

当時はレーザを全て購入していたのですが、レーザ応用機器の受託開発ビジネスで付加価値を向上していくには、より高性能で使い勝手のいいレーザが必要不可欠だと判断するに至り、少ない利益から開発資金を捻出して自社製レーザ発振器の開発に着手いたしました。

当社はベンチャー企業で様々な産業分野から特殊技術を持つエンジニアが集っていたのですが、更なる成長と遂げるため、“圧倒的に高品質で超高精細なレーザ加工”を実現する方法を議論する中、開発目標を「小型で使い勝手のいい“高出力深紫外超短パルスレーザ”の実現」に設定することにいたしました。

当時から信頼性の高い深紫外高出力レーザは個体レーザ技術では不可能と言われており、先行する欧米大手レーザメーカも開発に躊躇していた中での決断です。

当社は従来の発想を変えて“ゼロベース”でレーザを開発することを決断し、半導体レーザからピコ秒レーザパルスを直接発生させる「LD-GS方式」種レーザと、光ファイバと結晶を組み合わせた「ハイブリッド型光増幅器」という2つの独自技術を合体した全く新しい方式のピコ秒パルスレーザを考案し、世界で初めて実用化に成功いたしました。

①信頼性が高い、②レーザパルスを制御しやすい、③深紫外/ピコ秒パルスレーザを発生可能、④高出力化しやすい、というこれまでにない独自レーザが開発できたことから、この技術を軸に会社成長をドライブしようと、2013年に外部から資金調達をして会社を大きく成長させる決断をいたしました。

その後、大阪大学や東京大学、NEDOなどから協力いただきながら波長266nmピコ秒パルスレーザの高出力化と信頼性向上に努めてきましたが、新レーザを構想した当初の想定通り、近年になって国内外の複数の半導体関連業者から当社の266nmピコ秒パルスレーザに関心を持って頂けるようになりつつあります。

新しくCEOに就任した長岡由木彦の合流により経営体制も強化され、これまで開発してきた独自ピコ秒パルスレーザが世界のモノづくりに貢献出来るよう今後も邁進してまいります。